【事例集】日本のスマート農業の取り組みにおける成功事例10選

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「スマート農業って実際どんな効果あるの?」
「実際に取り組まれた成功事例を知りたい」


このような疑問や要望はありませんか?スマート農業に興味があっても、実際の成功事例を確認しないと、導入に踏み切ることは難しいでしょう。スマート農業の導入は徐々に進んでおり、今後もさらに拡大が予想されています。

本記事では、スマート農業の検討をしている方に向けて、日本のスマート農業の取り組み成功事例10選を解説します。スマート農業の導入コストを下げる方法も解説しているため、ぜひ参考にしてください。

スマート農業のメリット・デメリットを知りたい方は「スマート農業のメリット・デメリットは?現状や事例を知って効果的に取り組もう」を参考にしましょう。

 

そもそもスマート農業とは?

スマート農業とは、ロボットやAI、インターネットなどの先端技術を活用した農業のことです。適切に有効活用できれば、農業の省略化・軽労化を図ることができます。

スマート農業の目的は、農業の省略化・軽労化により農業者の高齢化や担い手不足を解決することです。近年では導入が進んでおり、政府や自治体もスマート農業の導入を推進するために、補助金による支援を実施しています。

日本のスマート農業の取り組みにおける成功事例10選

ここでは、以下の日本のスマート農業の取り組みにおける成功事例10選を解説します。

1.自動給水装置付き水田センサーの導入による省略化
2.ラジコン草刈機の導入による草刈り作業の省力化
3.パワーアシストスーツの導入によるスイカ収穫作業の軽労化
4.ロボットトラクターの導入による農作業の成熟化
5.かん水の自動化によるきゅうりの生産の安定化と軽労化
6.環境モニタリングシステムの導入によるイチゴ栽培の規模拡大
7.無人除草機の導入によるブドウ栽培の作業時間の確保
8.AI選果機の導入による柑橘の選別作業の省力化
9.大型捕獲罠システムを活用したイノシシ捕獲
10.広域型罠センサー通信装置による有害駆除捕獲の省略化

成功事例を参考にして、スマート農業の導入を検討しましょう。

1.自動給水装置付き水田センサーの導入による省略化


自動給水装置付き水田センサーを導入した水稲農家では、水管理作業の省略化に成功しました。自動給水装置付き水田センサーとは、スマートフォン上で水深や水温をチェックし、管理・操作もできるシステムです。

導入により以下のような効果が得られています。

【導入効果】
・10a辺り1.4時間かかる水管理が0.04時間になった
・余った時間で高収益を見込める作物の栽培ができるようになった


この事例の農家は、システムを活用することで水稲の規模を拡大して6次産業にも注力する予定です。水管理の省略化の成功により、収益性の向上や農業規模の拡大につながっています。

 

ラジコン草刈機の導入による草刈り作業の省力化


ラジコン草刈機を導入した水稲農家では、草刈作業の省力化・軽労化が実現しています。ラジコン草刈機とは、コントローラーにより草刈機を操作できる農機具のことです。コントローラーのみで操作できるため、身体的疲労を大幅に軽減できます。

具体的な効果は以下の通りです。

【導入効果】
・草刈りの作業時間を約1/2に削減
・作業性の悪い傾斜地や猛暑日の草刈り作業の省力化・軽労化に成功

傾斜地や猛暑日の草刈りをラジコン草刈機で実施すれば、身体的な疲労を軽減できるのに加えて、転倒や熱中症のリスクも下げられるため作業の安全性も高まります。

 

3.パワーアシストスーツの導入によるスイカ収穫作業の軽労化


パワーアシストスーツを導入した畑作農家では、重労働であるスイカ収穫作業の軽労化に成功しています。パワーアシストスーツとは、重たい物の持ち上げ・下げ時の腰や腕の負担を軽減する機械です。

導入により以下のような効果を得られています。

【導入効果】
・作業時の姿勢が安定することでスイカを丁寧に扱えるため傷や割れの発生が減った
・収穫の際にスイカを落としてしまうことが減った
・効率よく収穫ができ作業時間が削減できた
・作業時間が削減できたことにより腰痛が軽減された

パワーアシストスーツの導入は、雇用による労働力を効率よく活用できるため、生産性の向上や規模の拡大につなげることが期待できます。

 

4.ロボットトラクターの導入による農作業の成熟化


ロボットトラクターを導入した畑作農家では、農作業の質を安定させることに成功しています。ロボットトラクターとは、自動操縦により肥料散布や播種を高い精度で実施してくれる農機具です。

導入により以下のような効果を得られています。

【導入効果】
・自動操縦により農業初心者でも熟練農業者と同程度の精度と速度で農作業ができるようになった
・自動操縦により熟練農業者でも苦慮していた播種作業の負担が軽減された

ロボットトラクターのような新技術は、農業初心者でも農作業の成熟化を図れます。今後さらに技術が進化すれば、誰もが質の高い農作業ができるようになることが期待できます。

 

5.かん水の自動化によるきゅうりの生産の安定化と軽労化


かん水の自動化と施肥管理システムを導入した農家では、きゅうりの生産の安定化・軽労化に成功しています。具体的な導入効果は以下の通りです。

【導入効果】
・かん水に必要な労働時間と労働費用を90%以上削減できた
・データに基づいた施肥ができるようになり、肥料代を40%以上削減できた
・システムの導入により品質と収穫量が徐々に向上した

今後データの蓄積と分析により効果的な管理ができれば、さらに収益の向上が期待できます。この事例の農家は、経験の浅い新規就農者でしたが、品質と収穫量の向上に成功しています。かん水の自動化と施肥管理システムのような技術の導入が進めば、農業の担い手不足の解決につながるでしょう。

 

6.環境モニタリングシステムの導入によるイチゴ栽培の規模拡大


環境モニタリングシステムを導入したイチゴ農園は、農業の規模拡大に成功しています。環境モニタリングシステムとは、ハウス内の日射量やCO2濃度、気温などを観測および遠隔操作・管理する装置です。パソコンなどで確認でき導入者同士で共有もできます。

具体的な導入効果は以下の通りです。

【導入効果】
・気温やCO2などを詳細に管理できるようになり収穫量が増加した
・ハウスから離れた場所からでも管理ができるようになり作業効率とイチゴの品質が向上した

これまで感覚で行われていた管理がマニュアル化でき、経験の浅い農業者でもハウスの管理ができるようになっています。その結果、イチゴ栽培の規模拡大につながっています。

 

7.無人除草機の導入によるブドウ栽培の作業時間の確保


無人除草機の導入したブドウ農園では、除草作業が不要になったことで、ブドウ栽培の作業時間の確保につながっています。無人除草機とは、自動で動く操作のいらない除草機のことです。

主作業時間の確保以外にも以下のような効果が得られています。

【導入効果】
・常に雑草が刈られた状態が維持できるようになった
・除草機が動き回ることで害病虫や獣害の対策にもつながった

草刈りなど時間をかけていられないことはスマート農機具に任せて、農業者は本来やるべき農作業に集中するという活用方法もあります。

 

8.AI選果機の導入による柑橘の選別作業の省力化


AI選果機の導入した柑橘農園では、選別作業の省力化を実現しています。AI選果機とは、果実の大きさや形、色、傷などを画像で選別できる農機具です。

事前に設定した選果基準に沿って何段階かに分けて選別ができます。導入効果は以下の通りです。

【導入効果】
・以前と同じ時間で2倍以上の量を選別できるようになった
・データの蓄積により各園の品質の把握ができるようになり、各園に合わせた栽培ができるようになった

従来、選果作業は多くの人手と時間が必要な作業で、規模の拡大の障害となっていました。しかし、AI選果機の導入により、選果作業の効率化が成功して農業規模の拡大につながっています。

 

9.大型捕獲罠システムを活用したイノシシ捕獲


大型捕獲罠システムとは、イノシシの入る状況をスマートフォンで確認しながらゲートを落下させることができる装置です。導入により以下のような効果が得られています。

【導入効果】
・従来の放置型の囲い罠に規格外品の果実を入れることによる無意識の「えづけ」が解消された
・イノシシを確実に捕獲できるようになった

近年では耕作放棄地が増えた影響で、イノシシによる農作物の被害が増加しています。このような獣害駆除に対しても、ICT技術が導入され始めています。

 

10.広域型罠センサー通信装置による有害駆除捕獲の省略化


広域型罠センサー通信装置とは、害獣が捕獲されたことがスマートフォンを通じて伝わる装置です。具体的な導入効果は以下の通りです。

【導入効果】
・見回りの作業時間が60時間から30時間に削減できた(1箱あたりの年間平均)
・見回り時間を削減できることで、箱罠の設置個数を増やすことができる
・装置導入後の駆除活動により、害獣の個体数の減少が見られた

獣害被害が深刻であるため箱罠等の設置が急がれていましたが、毎日の見回り作業の負担が大きいことが課題になっていました。しかし、広域型罠センサー通信装置を導入することにより、課題の解決につながっています。

参考:農林水産省 農業新技術活用事例(令和5年度調査)

スマート農業の導入コストを下げる方法

便利なスマート農業ですが、欠点として導入費用が高いことが挙げられます。スマート農業の導入コストを下げるには、以下のような方法があります。

・補助金を活用する
・使わない農機具を売却する

それぞれの詳細を解説します。

1.補助金を活用する


政府や自治体がスマート農業の導入を推進するために、補助金を用意してくれています。スマート農業の補助金を活用すれば、導入時の費用や維持費用、そのほか追加費用を補助できます。

補助金の種類は多岐にわたりますが、近年「みどり投資促進税制」という補助制度が令和8年3月31日まで活用できるように延長されています。この制度は、特定の要件を満たすと導入当初の税負担を軽減できます。

その他にも、スマート農業に活用できる主な補助金は以下の通りです。

・みどりの食料システム戦略推進総合対策
・強い農業づくり総合支援交付金
・農地利用効率化等支援交付金
・産地生産基盤パワーアップ事業
・農業支援サービス事業緊急拡大支援対策
・担い手確保・経営強化支援対策

補助金ごとに、申請要件や申請期限、対象農機具、補助割合などは異なります。補助金の募集状況を知りたい方は、農林水産省の補助事業参加者の公募を参考にしてください。

 

2.使わない農機具を売却する


スマート農業の導入のコストを下げる方法として、使わない農機具を売却して軍資金にする方法があります。古い農機具でも状態によっては高く買い取ってもらえることがあります。

あぐり家では、プロの整備士が適正価格で査定します。使わなくなった古い農機具や壊れた農機具も買取可能です。スマート農業の導入の軍資金にするために、使わない農機具の売却を検討してみましょう。

買取強化宣言

成功事例を参考にしてスマート農業の導入を進めよう

スマート農業を導入する際は、成功事例を参考にすることが大切です。成功事例を参考にすれば、どのように活用すべきかが具体的にイメージできるためです。また、スマート農業を導入する際は、長期的な営農計画を立てることも重要です。

導入時の費用や維持費に加えて、スマート農業の導入に見合った効果が得られるのか、などを具体的に想定しましょう。あぐり家では、使わない農機具や古い農機具も高価買取中です。LINE公式アカウントから買取に関して気軽に相談可能です。気になる方は、ぜひ一度ご相談してみてください。

この記事を書いた人

株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)

1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。

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