農閑期に向けた農機具の保管方法と場所|トラブルを未然に防ごう!

メンテナンス

「農閑期に入るけど農機具はどうやって保管すれば良い?」
「誤った方法や場所に保管するとどんなトラブルが起きる?」
「適切な保管方法や保管場所を知りたい」


農機具は誤った方法で長期保管すると、エンジンやバッテリーのトラブル、錆の進行などを引き起こす恐れがあります。これらを防ぐには、長期保管に適した方法をとることが大切です。

本記事では、閑散期を向かえる農家に向けて以下を解説します。

・間違った保管方法により発生する恐れのあるトラブル
・基本的な農機具の保管方法と保管場所
・農機具別の保管方法のポイント

適切な農機具の保管方法を把握して、トラブルを未然に防ぎましょう。

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間違った保管方法により発生する恐れのあるトラブル

間違った保管方法により発生する恐れのあるトラブルは、以下の通りです。

1.エンジンのトラブル
2.バッテリーのトラブル
3.錆の進行
4.ネズミによる被害


それぞれの詳細を解説します。

1.エンジンのトラブル


長期保管明けによくあるのが、エンジンのトラブルです。とくにキャブレターの詰まりによるエンジンのトラブルは多い傾向です。

ガソリンは時間が経つと劣化していきます。劣化していくと不純物が溜まったりガム質の変質が起きたりして、キャブレター内部を詰まらせる恐れがあります。

キャブレターが詰まることで、エンジンにガソリンを送り込むことができなくなり、エンジンがかからなくなってしまうのです。

 

2.バッテリーのトラブル


バッテリーを端子につないだまま長期間保管してしまい、電力が失われるのはよくあるトラブルです。とくに使用する時期が決まっているコンバインや田植え機は、バッテリーを上げてしまうことが多いです。

 

3.錆の進行


農機具は、長期間泥や草を付着したままにすると、錆の原因になります。泥や草には、水分や塩分が含まれているため金属部を腐食させてしまうのです。

農機具は、一度錆びると腐食が進みやすくなり、穴が開くこともあります。農機具の寿命の短縮や故障にもつながるため錆を防ぐことは大切です。水分も錆の原因です。雨に濡れた後や洗浄後は十分に水分を拭き取る必要があります。

 

4.ネズミによる被害


農機具を長期保管する場合は、ネズミにも注意を払う必要があります。ねずみは、以下のような被害を与えて農機具の部品を破損または故障させる恐れがあるためです。

・農機具のコードをかみ切る
・農機具の中で巣を作る

ネズミは米の匂いに寄ってきてしまいます。ネズミの被害は深刻になることがあり、高額な修理費が必要になるケースもあります。コンバインやハーベスターなどの稲作に使用する農機具は、とくに注意してください。

基本的な農機具の保管方法と保管場所

基本的な農機具の保管方法と保管場所は以下の通りです。

1.泥や草を丁寧に取り除く
2.水分を拭き取り十分に乾燥させる
3.直射日光の当たらない屋内で保管する
4.ガソリン燃料は抜いておく

5.エンジンオイルを交換する
6.バッテリーはマイナス端子を外す


それぞれの詳細を解説します。

1.泥や草を丁寧に取り除く


長期保管の前は、農機具に付いている泥や草を丁寧に取り除き洗浄することは重要です。草や泥に含まれる水分や塩分などは、錆の原因になるためです。

農機具のボディやタイヤ、アタッチメントなどに付いている隅々の泥や草を取り除くことを推奨します。泥や草を落とす際に役立つのが高圧洗浄機や農機具用の洗剤です。農機具に適したものを使用しましょう。

以下の箇所に水がかかると故障の原因になります。

・エンジン周りなどの電気系統の部分
・ワイヤー部分
・排気口内部

とくに高圧洗浄機を使用する際は注意しましょう。

 

2.水分を拭き取り十分に乾燥させる


農機具が濡れていると錆の原因になります。洗浄したあと、または雨に濡れたあとに長期保管する場合は、水分を拭き取り十分に乾燥させる必要があります。

とくにロータリーの刃などは錆びやすいです。乾いた布で水気をしっかり拭き取りましょう。乾燥させる方法として、扇風機や除湿機を用いる方法があります。

また、農機具を土の上に置き、ブルーシートをかぶせて保管する方法は避けてください。土からの湿気がこもってしまい、錆の原因になるためです。可能な限りコンクリートやアスファルトの上など、湿気がこもりにくい場所で保管しましょう。

 

3.直射日光の当たらない屋内で保管する


農機具は長期間日光に当たると、ゴム製品や外装の劣化につながります。そのため、可能であれば農機具は屋外ではなく、倉庫や小屋などの屋内で保管することを推奨します。

屋内で保管すれば、盗難や雨に濡れることも防ぐことが可能です。やむを得ず屋外で保管する場合は、ブルーシートなどをかけましょう。錆止めスプレーやオイルなどを活用することも有効です。

なお、前述した通り土の上に農機具を置きブルーシートをかけると、湿気により農機具が錆びる恐れがあるため、コンクリートやアスファルトなどの上で保管してください。

 

4.ガソリン燃料は抜いておく


ガソリン燃料の場合は、すべて抜いておきましょう。ガソリンは長期間置いておくと劣化し始めます。劣化したガソリンが燃料タンクの中に入っているとエンジントラブルの原因になってしまいます。

タンクの中だけでなく、キャブレターの中のガソリンを抜くことも大切です。キャブレターの中にガソリンが残っていると変質して詰まりの原因になる恐れがあるためです。キャブレターが詰まるとエンジントラブルの原因になります。

農機具によってキャブレター内の燃料の抜き方は異なります。取扱説明書やエアクリーナーカバーに記載されている注意文などを確認してみましょう。

 

5.エンジンオイルを交換する


オイルは長期間を入れたままにすると、不純物が沈殿して故障の原因になります。1年に一度は交換することを推奨します。農機具を使用しない時期に交換しておくと、春の農作業をスムーズに始められます。

 

6.バッテリーはマイナス端子を外す


バッテリーを繋いだまま長期間放置すると、放電により電力が失われていきます。長期間放電が続くと、春に農作業を始める際にバッテリーが上がる原因になります。

バッテリーはマイナス端子を外しておくと、自然放電を予防できます。長期間保管する際は、マイナス端子を外しておきましょう。再度使用する際にすぐに使えるように、保管前に充電を済ませておいても良いでしょう。

また、バッテリーは低温と高温に弱いです。低温または高温の環境でバッテリーを放置すると、性能が著しく低下する恐れがあります。可能であれば、日光の当たらない断熱された部屋などで保管してください。

農機具別の保管方法のポイント

ここでは、以下の農機具別の保管方法のポイントを解説します。

1.トラクター
2.コンバイン
3.田植え機


それぞれの詳細を解説します。

1.トラクター


トラクターのクラッチ板は、クラッチを切って固定しておきましょう。クラッチをそのままにしておくと、クラッチ板が固着してしまう恐れがあるためです。

クラッチペダルを奥まで踏み込み、ロック金具で固定してください。ただし、湿式多板タイプは不要です。ロータリなどは落下すると危険です。最下部まで下ろして保管しましょう。

 

2.コンバイン


コンバインは、泥や草、わらくずなどが付着しやすいです。錆びを防ぐために、ベルトやチェーン、切断刃部、クローラなどに付着した汚れは、きれいに取り除き水で洗い流しましょう。

濡れていると錆の原因になるため、乾いた布などで十分に水分を拭き取ってください。また、こく粒が残っているとネズミが寄ってきてしまいます。各掃除口を開いて、こく粒はきれいに取り除いてください。

 

3.田植え機


田植え機の植付部も泥や草が付着しやすい箇所です。水で洗い落としたあとに、乾いた布などで十分に水分を拭き取ってください。

また、燃料タンクだけでなく、気化器内のガソリンも抜き取りましょう。気化器内のガソリンは燃料コックを閉めて、ワンタッチドレーンを引くと燃料を抜くことが可能です。ワンタッチドレーンがないものは、ドライバーを使用する必要があります。

合わせて、燃料コックのポット内のガソリンも抜きましょう。田植え機の植付部は上げたままにしていると危険です。最下部まで下ろしておきましょう。

農機具は適切な方法で保管してトラブルを防ごう

農機具は適切な方法で保管しないと、エンジンやバッテリートラブル、錆びの進行、ネズミの被害などが起きる恐れがあります。これらを未然に防ぐためにも、長期保管の前に農機具の清掃や十分な水分の拭き取り、バッテリーのマイナス端子を外すなどを行うことが大切です。

また、農機具は野外ではなく屋内のコンクリートの上などに保管しましょう。農機具によっては、保管方法のポイントが異なるため注意が必要です。

農機具は適切な対策をとっても、長期間保管しておくと劣化してしまいます。あぐり家では使わなくなった農機具も買取可能です。使わなくなった農機具の買取に関して気になることがある方は、公式LINEからお気軽にご相談してください。

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