トラクターの馬力(PS)の見方、選定の目安を解説!小型・大型のおすすめも

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農業用のトラクターを選ぶときの重要な指標となる馬力。大きければ大きいほどパワーが出て大型になっていきますが、自分の農地に合わせた正しい選び方をご存じですか?

この記事では、トラクターの馬力を選ぶときの目安をポイント別に解説していきます。主な農機具メーカーで取り扱いのある馬力も紹介するので、トラクターの購入や買い替えを検討している人は参考にしてみてください。

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トラクターの馬力による違いとは?

馬力とは、仕事率や効率を表す単位のことで、農業用のトラクターは小さいものだと10馬力、日本の大規模な農業で使う大型のものでは200馬力近くに及び、世界を見ると500馬力と巨大なものまで展開されています。

馬力の数字が大きくなればなるほどパワーが上がり、機体も大型化します。馬力が大きいと広い面積の作業が一気に進められ、固い土もしっかりと耕せるというメリットがあります。

また、馬力によってトラクターに取り付けられるアタッチメントの種類も変わるため、作業する場所や作業内容に合わせて馬力を選ぶ必要があります。

馬力の単位(PS)の見方・計算方法

かつて1馬力は馬1頭分のパワーと言われていましたが、現代においては1馬力は約75kgのものを1秒間に1m動かす仕事率と定義され、「PS」という単位でも表記されています。

馬力の計算方法は以下の通りです。

馬力(PS)=トルク(kgf・m)×回転数(rpm)×定数(0.00136)

トルク(kgf・m)とはタイヤに加わる力(kg)と前進する距離(m)を掛けたもの、回転数(rpm)とはエンジンの1分間あたりの回転数を指します。このようにしてトラクターのパワーは計算されているのです。

なお、国際的な馬力の基準としてはKWが用いられているため、海外製のトラクターを考えている場合は【1PS=0.7355kW】という計算式も覚えておくと役立つでしょう。

馬力が上がると、サイズも値段も上がる

大きいパワーが出るなら、大は小を兼ねて大きい馬力のトラクターを選んでおけば良いのでは、と考えるかもしれません。しかし注意したいのが、馬力が大きくなると機体のサイズも大きくなり、価格も高くなるということです。

日本は小規模な農家が多く、小さく複雑な地形の農地も少なくありません。狭い農地で大きなトラクターを使用すると、小回りが利かず作業ロスが生じます。価格と作業効率のバランスとしても、決して良いとはいえません。

価格の目安としては、もちろん機体の条件によって幅がありますが、おおむね以下の金額を想定しておくと良いでしょう。

新品:馬力×10万円
中古:馬力×4~8万円

農作業の種類で馬力を選ぶ【田んぼ・畑・酪農】

馬力の基本が分かったら、ここからはトラクターの馬力を選ぶときの目安をポイントごとに解説していきます。

まずは、どんな農業をしているかが重要です。なぜなら、作る作物によってトラクターの使用目的が異なるからです。トラクターは多くの場合、作業に合わせてアタッチメントを取り付けて使用します。

馬力が小さすぎたり大きすぎたりするとアタッチメントが対応できないことがあるため、適したタラクターを選ぶためには、まずはトラクターで行う作業内容を把握しておくことが必要です。

トラクターでは、農業の種類ごとに次のような作業が行えます。

稲作:耕運・代かき・畦塗り・田植え・肥料散布・除草・運搬
畑作:耕運・畝立て・整地・マルチ・植え付け・肥料散布・除草・運搬
畜産・酪農:集草・草刈・たい肥散布・運搬

まずは行う作業に合わせたアタッチメントを把握し、それに合わせた馬力を選びましょう。トラクターのアタッチメントについては以下の記事で詳しく解説しています。

トラクター用アタッチメントの種類と選び方!目的に合わせてベストな選択を

面積で考える馬力選定の目安

次に重要なのが、作業する農地の面積です。日本のトラクターの馬力は25~35程度が主流ですが、実は農地の面積に対して大きすぎる馬力のトラクターが使われているケースが少なくありません。

狭い面積に対して大きすぎる馬力のトラクターを選ぶと、うまく取り回せず作業ロスが出てしまったり、耕作した土をトラクターの重みで固めてしまったりします。

使いたいアタッチメントによっては、農地に対して大きい馬力のトラクターを使用する必要がありますが、そうでなければ広さに合わせた馬力を選ぶのがおすすめです。

トラクター利用面積の目安

例えば、農林水産省が2020年に出した資料のデータによると、1つの経営体(農家)ごとに1台のトラクターが使われています。使われているトラクターは30馬力が平均ですが、これは20ha程度の面積に対応できるのに対し、実際に使われているのは1.2haほどとのこと。

現在では、政府の方針で農地の集約化が進められているため、もっと実際の使用面積が多くなっていると考えられますが、それでも大きな差が生まれているだろうと思われます。

農林水産省|新たな品種・生産技術の開発・保護・普及方針

土質によっては大きな馬力が必要な場合も

広さのほかに注意したいのが土質です。同じ広さの農地であっても、土質によって必要な馬力が異なります。

柔らかくサラサラした土質の場合は耕しやすいですが、粘土質の土壌は固くて重いため、より大きな馬力が必要となります。馬力が小さすぎると、うまく動作せずエンストを起こしてしまう可能性も出てきます。

10~20馬力程度のトラクターを検討していて、土が粘土質の場合は想定している馬力よりも5馬力程度大きいものを選ぶと良いでしょう。

【メーカー別】最小・最大馬力のおすすめトラクター

馬力を選ぶ目安として、農機具の主要3メーカーから国内で販売されているトラクターの馬力を紹介します。農機具メーカーについてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。

農機具メーカー国内売上高ランキングTOP7!選び方のポイントも解説

クボタ:トラクターの馬力ごとで豊富に展開

クボタの農機具はバリエーションの豊富さが魅力です。トラクターは10.5馬力から170馬力と幅広く展開しています。

最小10.5馬力のモデル「BullStar Extra」は初心者でも使いやすい小型なサイズ感でありながら、パワフルなエンジンによる効率的な作業と安定した走行を実現したモデルです。排気がクリーンで、ハウス内でも安心して使えることを強みとしています。

最大は130~170馬力ものパワーを持つ「M7」です。パワフルさと豊富な作業への対応はもちろん、機能も充実しており、タッチパネル操作やクボタの営農支援システムとも連携しています。さらに効率的な農作業を実現できるモデルです。

ヤンマー:初心者でも利用しやすい機能が充実

ヤンマーのトラクターも13馬力から113馬力と、広い展開を見せています。馬力の幅ではクボタに劣るものの、十分なパワフルさと使いやすさのバランスから人気を集めています。

最小13馬力の「GK13」は、操作性・安全性・メンテナンスのしやすさと、ヤンマーのなかでも使いやすさにこだわったモデルです。初心者や高齢のユーザーでも安心して利用できます。小型ながらマルチや畝立て、散布など幅広い作業に対応しています。

最大113馬力のモデルは複数ありますが、「YT5113A」は最新のクリーンエンジンを採用していてエコ志向の方におすすめです。大型トラクターの気になる排気を抑え燃費も向上させています。

イセキ:小規模農家におすすめな小型機が豊富

イセキ(井関農機)のトラクターは、リーズナブルで小型・軽量のものが豊富にラインナップされています。小型ながらもしっかりとパワーがあり、小規模な農家の作業効率を大幅に改善してくれます。

「トラQ」こと「TQ3シリーズ」は、イセキのなかでも小型の最小14馬力です。狭い農道や圃場、ハウスへの出入りがしやすく旋回も楽々とこなします。低振動、低騒音、クリーン排気と機能が豊富で、小規模であればパワーにも満足できるでしょう。1,123ccの大きな排気量で粘り強く稼働します。

イセキの最大馬力は280.1と、国内の農業用トラクターでは飛びぬけて高い馬力を持ちます。視界の広さや静音性など、広大な土地での長時間の作業でも快適に作業できる工夫も満載です。

馬力ごとに必要な免許が違う?【小型特殊・大型特殊免許】

トラクターは公道を走行するときに運転免許が必要になりますが、その種類は馬力ではなく車体の大きさによって異なります。

小型特殊免許または普通免許
以下の条件をすべて満たすもの
単体またはロータリーを装着した状態で全長4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下(安全キャブ/フレーム付きは2.8m以下かつ当該装置を除いて2.0m以下)、最高速度15km/h以下

大型特殊免許または大型特殊免許(農耕車限定)
小型特殊免許の条件から1つでも上回るもの

小型特殊免許の対象となるトラクターは、普通乗用車の運転に使用する普通免許でも代用できます。そのほか、公道走行時の注意点は以下の記事をチェックして、ルール違反のないようにしましょう。

トラクターの公道走行の条件は?無免許やナンバーなしは罰則も

トラクターの馬力アップで作業効率を上げよう

環境や作業内容に合った馬力のトラクターを使うことで、農作業の効率は改善されます。現在使っているトラクターの馬力が不足していたり、必要以上に大きいトラクターを使用していたりするなら、買い替えを検討してはいかがでしょうか。

国内メーカーのトラクターは高品質で、中古であっても十分活躍するものがほとんどです。

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